新型コロナウイルス感染症はいまだ終息せず、国内で初めて感染者が確認されてから4年になろうとしていますが、私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。昨年後半からはインフルエンザが猛威を振るい、医療現場では対応が続いています。今後も平時のみならず、感染症発生・まん延時や災害時においても、適切な医療が確保できるよう努めてまいります。

 すべての県民の皆さまが良質な医療を受けられるよう、限られた医療資源を有効に活用することが重要です。地域密着で提供する医療と専門的医療の役割分担、救急搬送体制の整備、緊急治療への対応のための情報通信技術(ICT)活用、広域連携体制の充実化を進めます。

 がんに関しては検診受診率の向上、リハビリや緩和ケアの充実、治療と仕事の両立支援が不可欠です。

 昨年9月に東北医師会連合会総会が盛岡市で開催され、「少子化を考える~医師会がつなぐ未来へのかけ橋~」と題したシンポジウムで、各県のシンポジストからさまざまな意見を伺いました。少子化・人口減少への対策として、産科医療体制の充実にも力を入れていきます。これからも医療の立場から、少子化問題に向き合っていく所存です。

 高齢化社会にあって、認知症の対応力向上研修を継続して実施し、認知症サポート医をはじめとして初期対応が可能な医療従事者の拡充を図ってまいります。 

 本県の特長である岩手県行政と岩手医科大学、岩手県医師会の連携の強さを生かし、関係団体、県民の皆さまと協力し「県民の安全と安心を守る」そのために諸事業に取り組んでまいります。

2024年1月

一般社団法人岩手県医師会
会長  本間 博