
-1カ月健診時乳児の便色調スクリーニングについて-
胆道閉鎖症マススクリーニングの必要性
昭和55年から平成10年までの岩手県における胆道閉鎖症の発生は計37人でその発生率は出生7,900人に一人です。37人の予後は死亡10人、生体肝臓移植を受けた人は5人、黄疸や合併症で闘病している人は6人と非常に予後不良の疾患です。以前から胆道閉鎖症について生後60日以内に手術を受ければ良好な予後が期待されると言われております。
従って、本症の早期診断、早期手術が望まれるわけです。
この37人の患者さんの臨床経過を検討したところ、生後1カ月の乳児健診ですでに胆道閉鎖症の徴候があったにもかかわらず、みすみす見逃されている例がかなり存在しておりました。従って、早期診断・早期治療を行うためには、胆道閉鎖症が疑われる赤ちゃんを生後1カ月健診時に便の色調でスクリーニングすることが非常に重要であることがわかりました。そのシステムは現在、栃木県と茨城県で行われ、良好な成績を納めております。そして、栃木県のデータではこのシステムを採用した場合としない場合で、胆道閉鎖症にかかる治療費を比較したところ、このシステムを採用した方が費用が少ないという事が判明しました。
そこで、岩手県医師会が先頭に立って、この1カ月健診時の便による胆道閉鎖症マススクリーニングを進めていくことになりました。このスクリーニングのシステム化のためには産科医、小児科医、保健婦、自治体の協力が必要です。
できれば、この4月以降出生した乳児からスクリーニングを行っていきたいと思います。御協力よろしくお願い致します。
平成14年3月岩手県医師会胆道閉鎖症マススクリーニング推進検討委員会
委員長 小林 高
赤ちゃんの健康診断 胆道閉鎖症マススクリーニング検査について(岩手県予防医学協会リンク)