表紙のことば
至福の一時

 7月海の日の連休に登った鳥海山山頂からのご来光です。

 二戸を早朝発ち、10年に一度という見渡す限り日光キスゲで一面オレンジ色の鳥海湖湖畔で遊び、雪渓の千蛇谷を登り、夕方山頂直下の山小屋に着いた。

 日本海に沈む夕日を愛でながらビールで乾杯。振り返ると谷を登ってきたガスにブロッケン現象現れ、中に我らの姿を映し、日が落ちると日本海に漁り火が揺れた。

 4時に起き出し、星空の下ヘッドランプを頼りに岩をよじ上り山頂へ、ご来光の光が朝もやを紅に染めた瞬間を激写、振り返ると日本海に鳥海山の影を蒼く映す「影鳥海」が現れた。

 帰り道に象潟で食べた赤子の手ほどある丸々プリンとした天然岩ガキは絶品だった。
 至福の一時が何回もあった山旅だった。 菅転倒虫

(菅整形外科・皮膚科クリニック 菅 栄一)