県民のための健康増進情報/産婦人科領域

 

 ”おりもの”と”かゆみ”

 

 おりものとかゆみは婦人科を受診する女性の中で非常に多い症状の一つであります。両方訴える方もありますし、片方だけの方もあります。特におりものは個人差があり、体臭などと同じように異常のないのに体質的に多い方も決して少なくありません。
 正常でもおりものは変化します。生埋が順調な方では生理が始まって2週間位の時期に透明な粘箱性のおりもの(卵の白身のような)が数日続きます。これは排卵の時期でもあり正常な症状です。ちなみにこの時期に軽い下腹痛や少量の出血を訴える方もおります。
 そして生理が始まる前の1週間位はうす黄色いおりものが少し増えてきます。分娩した方は以前よりおりものが多くなったなどと申します。そして閉経した方では以上のような月々の変化は感じなくなります。

おりものが気になります

(1)いつも粘っこいおりものが多く気になる方。

子宮腟部びらんが考えられます。
びらんが粘液を分泌するため増えます。これは病気ではありません。大部分の方が大なり小なり持っており、いづれは自然に治りますがどうしても気になる方はがん検査をして異常がなければレーザーなどで簡単に治療できます。完全に治るまで1〜2ケ月かかります。当然保険は効きますし決して高い治療ではありません。

(2)うすい黄色い汚れたおりものが水のように流れてくると感じられる方。

トリコモナス腟炎が考えられます。
トリコモナス原虫という小さな虫によりひき起こされます。最近は減少しているようです。
セックスによる感染がほとんどですが、衣類やタオル、風呂や温泉の浴槽縁から感染することもあります。おりものが多いため少しかゆみを訴える方もあります。
治療は簡単で腟剤と内服薬で容易に治ります。男性はほとんど症状がありませんがセックスで感染することからパートナーは当然一緒に治療する必要があります。

(3)少し黄色いおりものが最近増えてきた。

クラミジア感染症が疑われます。
今、若い人達に最も多く見られる現代病の一つです。症状ははとんどありませんが、女性には重要な病気です。時には子宮から炎症が進行して子宮付属器炎や骨盤腹膜炎を起こしたり不妊症の原因になったりします。妊娠中治療しないと産まれた赤ちやんの眼に炎症や肺炎なども起こす危険性もあります。
検査は簡単で、2週間程度の薬の服用でほぼ完全に治ります。当然パートナーも同じように治療します。

水淋病も考えられます。
クラミジアと同じように女性の症状は弱く、クラミジアと合併することが少なくありませんので、両方一緒に検査されるかもしれません。もしかかったとしてもクラミジアの治療で淋病も治ってしまいます。クラミジアと違い男性の方に症状が強く出易い病気です。

 

かゆみが気になります

(1)かゆみか強く白いかすのようなおりものも出てくるようになった。

本カンジダ膣‐外陰炎がまず一善に考えられます。
比較的特徴的なおりものが出ます。日常ありふれた病気でかぴの一種といってよいでしょう。風邪をひいて治療した後や、疲れて体調が悪かったりするとかかり易くなります。
外陰炎を起こすとかゆみが強くなり赤くなります。夜、知らずにかいてしまうこともあります。
治療は簡単で腟の中に薬を入れ軟膏を塗るだけです。毎日入れるか、週1回程度にするかは本人の来院できる状況に合わせて治療します。
カンジダの種類によっては治りにくいものもあり、又、糖尿病やステロイドを服用している方は持に治りにくいことが知られております。体調を維持し再発しないようにしたいものです。

(2)かゆみは弱いが小さいイボのようなものが出てきた。

未尖形コンジロームが疑われます。
原因はウィルスによってひき起こされます。セックスを経験し始た比較的若い人に多く見られます。
外陰部や腟の入口、肛門の周囲などにブツブツと小さいカリフラワー状の物が出てきて少しかゆくなります。かなり大きくなることもあります。
治療は軟膏、レーザー、手術による切除、その他色々ありますが、軟膏は治るまでかなり時間がかかりますので小さいものは簡単にレーザーで、大きいものは切除が良いでしょう。

(3)ものすごくかゆく、ごしごしかきたくなる。

毛じらみとかいせん(疥癬)が考えられます。
両方ともそれほど多くはありません。毛じらみは通常はセックスで起こります。「下がかゆく、何か毛の中で動いている」という表現で来院される方もおります。毛じらみや卵を見つけて持ってくる方もおります。
治療は簡単です。専用のパウダーや少し効果が弱いのですがクリームを使用することもあります。刺毛はあまりやらなくなりました。

一方、疥癬は、ダニが皮膚に寄生する病気です。セックスでの感染の他、家族や集団生活で起こることが多く、一般の家庭ではめったに見られません。待に夜間に激しいかゆみがあり皮膚の下にトンネルを作って卵を産み湿疹になることもあります。
専用の薬はありませんが有効な治療があります。