再び、前立腺がんについて  小原クリニック 小原紀彰

 花巻地方(4市町)では、50歳以上の男性を対象に、前立腺がん検診(血液検査 PSA)を実施しています。
 数年の結果を見ますと、およそ16,200人が受診し、うち前立腺がんの確定は110人で、発見率は0.67%でした。これはほかのがん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん)に比べ、10倍の数字です。対象者のうち前立腺がん検診受診者は半分程度にとどまっており、まだまだ発見されていない方が多いと思われます。特に70歳未満の方には強く受診をお勧めします。
 朗報があり、岩手医大では東北地方で初めて「小線源療法」を導入しました。小線源療法は、弱い放射線を出す小さなカプセル状の線源を、細い針の付いた挿入器具で前立腺内に約60〜80個埋め込み、がん病巣に放射線を照射します。ただ、この治療法を受けるには@前立腺内に限られる初期がん、A原則として60歳以上、B大きな前立腺肥大がない、C前立腺手術を受けていないなど、症状や年齢に制限があります。
 初期の方は切らなくて済む事になりました。これを機会に検診を受けてみて下さい。