かぜ症候群について                    湯本診療所 佐藤全紀

 かぜ症候群とは、ウイルスをはじめとするさまざまな病原微生物により起こる急性呼吸器(特に鼻、咽喉頭)感染症を言います。原因の80〜90%はウイルスによるものですが、時にマイコプラズマ、クラミジアなど細菌感染によっても発症します。
 症状についてはよくご存知かと思いますが、病態によっておおまかに@普通感冒、A咽頭炎、B咽頭結膜熱、Cインフルエンザに分類されることが多いので、これらについて紹介します。
 @については、ライノウイルス、コロナウイルスなどにより起こることが多く、鼻炎症状が主体で、時に咽頭痛、咳漱をともなうもの。Aはアデノウイルスによることが多く、時に連鎖球菌などの細菌性で、咽頭痛、発熱、全身倦怠感が主体のものです。Bはプール熱とも呼ばれるもので、夏に学童小児に好発し、発熱、咽頭炎、結膜炎を3主徴とするものです。Cについては、突然の発症、38℃を越える発熱、倦怠感などの全身症状が特徴です。
 ことわざにもある通り、かぜをこじらすと合併症のもとですが、免疫力が低下する疾患や急性心膜炎など他病の初期症状の場合もあり、鑑別がたいへん重要です