弱視と3歳児検診     花巻中央眼科  高橋和博

 「弱視(じゃくし)」という言葉を知っていますか?耳慣れない言葉ですが、子供の視力については非常に大切な診断名です。弱視とは、視力の発達にとって大事な時期(生後から就学時頃まで)に様々な原因で眼の発育が妨げられ、「ものがはっきり見えない」状態になってしまうことです。
 視力は10歳頃までに大人とほぼ同じ程度にまで発達します。それまでに弱視が完成してしまうと、それ以降いくらメガネをかけようが、いかなる治療を受けようが視力が良くなることはありません。弱視を見つけるための最初の検診は3歳児検診で行う視力検査です。3歳児の視力の異常を普段の生活から気が付くことは非常に難しいため、全てのお子さんを対象に行われることになっています。弱視の治療は見つかり次第、早ければ早いほど効果が大きい事が知られていますから、この時期(特に就学前)に斜視や弱視を発見して治療を始めることが特に重要です。就学前のお子さんの視力について不安や疑問を感じたら一度眼科医に相談してみましょう。