はやり目に注意!   白井眼科クリニック 白井淳一

夏です。幼稚園や小学校のプールからは子供達の歓声が聞こえてきます。この時期に気をつけなければならないのが、はやり目(アデノウイルス性急性結膜炎)です。咽頭結膜熱(PCF)、流行性角結膜炎(EKC)が代表的なものです。
 咽頭結膜熱は咽頭炎、発熱、急性濾胞性結膜炎(眼瞼腫脹、充血、眼脂、流涙)が特徴です。小中学生に好発し、プールで感染することが多いので「プール熱」とも呼ばれます。咽頭炎、発熱を伴うため、単なる風邪と間違われることもあります。
 流行性角結膜炎は急性濾胞性結膜炎ではじまり、耳前リンパ節の腫脹、圧痛が特徴です。発病1〜2週後に角膜に点状混濁を生じ、視力低下をきたすこともあります。両者とも有効な点眼薬はなく、細菌感染防止のために抗菌点眼薬、炎症を抑えるためにステロイド点眼薬を用います。また、咽頭炎に対しては解熱剤や抗生剤を投与します。
 はやり目は伝染性が非常に強いので感染予防が大切です。幼稚園、学校、職場は医師の許可があるまで休み、プールにも許可があるまで入れません。手指を流水や石鹸でよく洗い、タオル、洗面用具は家族のものと別にします。はやり目に注意して暑い夏を健康に過ごしましょう。