センブリについて      宮内婦人科心療内科クリニック   宮内 茂壽

 センブリは、タンポポとともに、苦味健胃剤の民間薬として用いられてきました。
 センブリが胃の薬として用いられるようになったのは明治中期以降からで、西洋で胃の薬として用いられていた薬草のゲンチアナ根、コンズランゴ、コロンボ根などの代用として使われたのがその初めです。
 一見、漢方薬を想像させる名称ですが、漢方では一切登場しておりませんし、当然それに関する記載もありません。
 薬草は普通、土瓶でグツグツ煮詰める、いわゆる「煎じ」が一般的で、金属製の鍋で煮詰めると反応して出るカナ気を避けるために、わざわざ土瓶を使います。
 これに対し「振り出し」という使用法もあり、これは熱湯の中でゆすり出すだけで、薬効成分が湯の中に溶けて出ます。
 センブリの名前の由来もここにあり、丹念に何回も何回も振り出して(千回かどうかは不明ですが)用いたために「千振り(センブリ)」の名がついたものです。