胸痛を自覚したときには                     大平医院 大平和輝


 胸痛は、心臓、肺、大動脈、食道、胃、胆のう、すい臓、胸部の筋肉や骨、神経、精神的なものなど、さまざまな原因で起こります。そのなかには、急性心筋梗塞症、解離性大動脈瘤など、迅速に診断し治療を開始しないと命にかかわる病気も含まれます。
 特に冷や汗をともなうような激しい痛みが持続するときは、できるだけ早く救急車で専門病院を受診してください。自分で車を運転してくるようなことは危険ですから、絶対に避けてください。比較的軽い胸痛でも、持続する場合は同様です。また、症状がなくなっても重篤な疾患の前触れである場合もあり、大したことはないと自己判断しないでください。
 病院を受診するときには、@どのような痛みか(締めつけられる、圧迫される、張り裂ける、針で刺されるなど)。A痛む場所はどこか。B痛みは移動するか。C痛みは左腕や喉などに放散するか。Dいつから始まったか。Eどんなときに起こったか。Fどれくらい続くか。Gどれくらいのひん度で起こるか。Hその場所を押すと痛むか。I体位で痛みは変化するか。などを前もってメモしておき、医師に話しましょう。診察する上でたいへん参考になります。