こむら返り   熊谷内科胃腸科医院 熊谷和久

こむら返りの経験はありませんか。こむら返りとは、ふくらはぎに起きる筋けいれんとされています。けいれん発作は激しい運動の後や、睡眠中に見られることが多く、その持続時間は数秒から数分が多いようです。起きた場合には、座位にて足の親指を引っ張る(背屈)ようにし、ふくらはぎを伸ばします。しかし一度起こしてしまうと再発しやすく、その痛みのために「夜寝るのが怖い」と訴える方もいます。
 この病気に対して漢方薬の中に芍薬甘草湯という薬があり、この病態に用いられています。けいれん時、お湯で一包を内服するか、けいれん発作を起こしたことのある方は、運動前や就寝前に内服しておくのです。この内服ですぐに痛みを抑えたり、けいれん発作を起こりにくくすることが出来ます。
 このけいれん発作は健康な人でも起こりますが、頻回に起きる場合には、原因疾患として脱水(発汗・下痢・内服の利尿薬)、電解質異常、肝疾患、腎不全、血液透析、甲状腺機能低下症、脊髄性筋萎縮症や多発神経炎などの神経原性筋萎縮をきたす疾患、下肢静脈瘤などの疾患で頻発することが多いので、かかりつけ医に基礎疾患を調べてもらう必要があります。