検査で異常のない胃腸の病気  藤巻胃腸科内科クリニック 藤巻英二

胃腸の不調を訴える人で、検査を受けても全く異常のない場合があります。そのほとんどは「ストレス」が原因で、胃腸の働きに問題が起こっている状態です。
 食後の胃の鈍痛・げっぷ・もたれなどの症状は「機能性胃腸症」と言われ、胃の運動低下によるものです。なお、この病気でも空腹時の痛みや胸やけなどの潰瘍(かいよう)に似た胃酸過多の症状を起こすこともあり、治療法が違ってきます。
 下痢と便秘を交互に繰り返したり、下痢と腹痛が長期に続いたりするのは「過敏性腸症候群」の可能性が大きいです。この病気にはお腹の張りや腹鳴・ガスが多いタイプ、緊張すると急に腹痛・下痢を起こすタイプなどがあります。
 このほか、食事に関係なくいつも喉(のど)から食道に詰まりを感じるのは、女性に多いストレス症状です。
 これらの診断はあくまでもきちんとした検査を行い、異常のないことを証明することが大切で、自己診断は禁物です。胃腸の働きを調整する薬などで改善がないときには、安定剤や心療内科での治療が必要になることもあります。