白衣高血圧と仮面高血圧 湯本診療所 佐藤全紀

高血圧症の分類のうち、最近良く耳にする言葉に白衣高血圧や仮面高血圧といったものがあります。白衣高血圧とは、未治療の方のうち医療環境(主に外来)で測定した血圧は常に高血圧で、非医療環境で測定した血圧(家庭血圧)は常に正常であるものを言います。
 一方、仮面高血圧(逆白衣高血圧と言ったりもします)は白衣高血圧とは反対に、外来等で測定した血圧は正常で、非医療環境で測定した血圧は高血圧状態にあるものを言います。外来では高血圧の状態が遮蔽(マスク)されているのでこう呼ばれるのです。
 白衣高血圧は、医師や看護師(白衣を着た人)の前で測定した際には自然と緊張して血圧が高くなりますが、通常は治療を必要としません。それに対し仮面高血圧の中には早朝のみ血圧が高い早朝高血圧(早朝覚醒後、急に血圧上昇するものと夜間に血圧が低下せず、高いまま経過するものがあります)の場合や、仕事のストレスで職場でのみ血圧が高い場合なども含まれており、治療を要することが多いのです。
 いずれの場合でも家庭血圧を測定することが鍵となってきますので、朝食前(加えて就寝前)の血圧測定が重要で、家庭血圧135/85oHg以上の時は医師に相談するのがベターです。