在宅医療の勧め  総合花巻病院 第3内科 高田恵一

 花巻地方の医療は、労災病院撤退や県立病院統合など、これからどんどん変わっていくと考えられます。これは全国的な傾向で、花巻に限ったことではありません。病院が減り、ベッド数も減り、急性期の医療を担う大きな病院は急患や重症の患者さんで手いっぱいとなり、入院期間は短縮を余儀なくされます。ちょっと具合が悪いとか、食べられないという高齢者の方が簡単に入院できない状況になっていきます。さらには食べられない方が経管栄養や胃ろうを造設した場合でも、長期の入院ができなくなり、早晩自宅に戻ることが要求され、在宅医療が増えていくことになります。
 このような状況を考えると今後、高齢の方はいざという時の対応も含めて、かかりつけ医を持つことが大切です。普段は医者にかかることもなく、よくわからないという方は市役所や介護支援事業所、訪問看護ステーションなどに相談してみるのもよいでしょう。
 軽い状況では入院せずに、訪問看護などを利用して重症にならないように診ていくことが大切になります。面倒くさがらずに医療機関や看護、介護の施設などの医療連携を上手に利用しましょう。