糖尿病は恐ろしい病気                      佐藤医院 佐藤彰孝


 糖尿病は、すい臓で作られるインスリンというホルモンの不足や働きが不十分なために、血液の中のブドウ糖をエネルギーに変えたり、肝臓や筋肉に蓄えたりできなくなって起きる病気です。この利用されないブドウ糖を多く含んだベタベタした血液が、身体中をまわって全身の血管や末梢神経に障害を起こします。糖尿病の恐ろしさは、全身の合併症にあります。
 糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を「糖尿病の三大合併症」と呼んでいますが、さらに進むと、細い血管だけでなく太い血管も侵され、下肢の閉塞(へいそく)性動脈硬化症や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞を起こすこともあります。
 しかし、糖尿病であっても正しく治療を行えば健康な人とまったく変わらない社会生活を送ることができ、また寿命に影響することもありません。
 治療の目的は合併症を防ぐこと、合併症がすでにある場合は進行を抑えることですが、他の病気と同様、早期発見・早期治療が最も望ましいことはいうまでもありません。