傷痕(きずあと)について                三浦医院 三浦良雄

 ケガして、一番気になることは「傷痕(きずあと)」が残るか、ということではないでしょうか。傷痕は専門用語で「瘢痕(はんこん)」といいます。
 切れた部分は、線維組織(せんいそしき)というものができて治っていきます。その線維組織が瘢痕となるわけですが、一回できたこの瘢痕は、完全になくなりません。しかし治療の方法で目立たなくできます。
 切り傷は大きく分けると「切創(せっそう)」と「挫創(ざそう)」に分けられます。「切創」とは鋭い刃物等で切った傷で、傷の縁は整い線状で、ややきれいに治ります。「挫創」は、強い打撃などで皮膚が離断された傷です。傷の縁は不規則で、切れた内面は不整で血行が悪く、切創にくらべて治りが悪くなります。きれいに治すには、傷の部分を切りなおして、傷の縁を縫います。
 また皺(しわ)に沿った傷は、比較的目立たなく治ります。しかし皮膚の一部が欠損したりしても、傷痕が残ります。皮膚の内側にある真皮で内縫い(真皮縫合)をして、表面を閉じてから外を縫い、きれいに治します。このように治す方法はありますが、一番傷痕が残ってしまうのが感染によるものです。
 傷を負ったら、まず流水で傷とその周りをきれいにし、病院に行きましょう。