ほくろ                                 三浦医院 三浦良雄

 
 「ほくろ」は出生時には存在しません。生まれた後、だいたい3〜4歳ころから出始め増えていき、そして、少しずつ大きく成長していきます。人には普通、30〜40個のほくろがあると言われています。ほとんどのほくろは、一生放置しておいてもガンになる心配はありません。
 ただ、注意しなければいけないほくろもあります。例えば、手のひらや足底部(特に末梢の三分の一)。それからベルトでこすれる腰、ブラジャーのストラップのあたる肩など、常に刺激が加わる皮膚の場所のほくろです。
 こういうところのほくろは、まれに悪性化して皮膚ガンになることがあります。これは「悪性黒色腫」といわれ、皮膚ガンの中でも最も悪性度が高く危険なガンです。特に次のような変化があったときに疑われます。@急に大きくなった。A色が濃くなった。B周りに飛び火したような黒い点々ができた。C出血するようになった。などです。
 最後は医師が判断を下さなければなりませんが、なかなか判断がつかない場合も多くあります。疑わしければ手術をして取ったものを病理学者に調べてもらわなくてはいけません。その他の部位の丸く盛り上がっている、あんこをつけたようなほくろの悪性化はむしろまれで、かえって平らな茶褐色のものの方がガンになりやすいとされています。どうです、もう一度ほくろを良く見てみませんか?