冬に多い皮脂欠乏性皮膚炎           小瀬川皮膚科医院 小瀬川 玄


 冬になると高齢者のすねや腰回りの皮膚がかさかさして粉を吹いたようになったり、ひび割れたりします。皮膚が乾燥するとかゆみを感じやすくなり、かきむしり湿疹ができます。これが皮脂欠乏性皮膚炎です。冷たい風が吹き始める十月ころに始まり、冬期にピークに達し三月ころまで続き、五十歳以上の男性に多くみられます。
 原因は、皮膚の最外層にある角層の水分量の低下によります。角層の水分保有能に関与するのは皮脂腺、角質細胞間脂質、天然保質因子ですが、これらが加齢とともに減少するために皮膚が乾燥しやすくなります。また外気の乾燥、暖房機具による湿度の低下、気温低下にともなう発汗量の減少が悪化因子となります。
 スキンケアとしては
@入浴時の洗い過ぎに注意し、せっけんは弱酸性のものを使用し、ナイロンタオルは避けましょう.そして重要なのは、入浴後すぐに保湿剤を塗ることです。
A加湿を忘れた過度の暖房に注意しましょう。
B電気毛布の使用はやめましよう。
C下着は木綿のものを着用しましょう。
 とにかく皮膚が乾燥してきたら早めに専門医を受診し、適切な塗り薬を処方してもらいましょう。